「もう、正直……限界かもしれない。」
子どもたちのために、保護者のために、同僚のために、教員として真面目に頑張ってきたつもりでした。
でも気がつけば、自分のことはずっと後回し。
ふとした瞬間にこみ上げてくるもやもや。
「このままで、本当にいいのかな?」
「もし辞めたら、私には何ができるんだろう……?」
そう思っても、退職前に何を準備すればいいのかも分からない。
転職サイトを見ても、どこか他人事のようでピンとこない。
実は、私もまったく同じでした。
今でこそ、オンライン秘書やインスタ運用代行としてお仕事をいただき、在宅で働けるようになりましたが、当時は準備らしい準備もないまま、限界を迎えて退職。
正直、「逃げるように辞めた」と言っても過言ではありません。
準備ゼロでも、なんとかセカンドキャリアを歩き出すことはできました。
でも、
「これだけはやっておけばよかった」
「あのときの自分に、そっと教えてあげたかった」
そんなふうに思うことが、いくつもあります。
この記事では、そんな私が「退職前にやるべきだった」と心から後悔したことを、5つにまとめてお伝えします。
これは、準備ゼロ・限界退職の私だからこそ書ける、リアルなセカンドキャリアの入り口です。
限界を迎えた40代教員が、準備ゼロでセカンドキャリアに踏み出した理由

「もう無理かもしれない」と思ったのは、ある夏の日、過労で倒れたことがきっかけでした。
保護者対応、学年主任としての調整業務、書類の山。
家に帰っても夕飯の支度をしたり、娘の宿題を見たり…。
娘と一緒に寝てしまう毎日。
寝落ちせず、やっと自分の時間ができたとしても22時すぎ。
鏡に映った自分の顔が、思わず目をそらしたくなるほど疲れていたのを、今でも覚えています。
教員という仕事が嫌いだったわけじゃなく
むしろ、子どもたちの成長に寄り添える仕事が大好きでした。
でも、気づけば好きだけでは続けられないほど、心も体もすり減っていたのです。
倒れて初めて私の中で初めて浮かんだのが、「教員 セカンドキャリア」という言葉でした。
とはいえ、何をどうすればいいのか、まったくわからない…
退職しても再雇用で教育の現場に関わりたいと思っていた私にとって、未知の世界。
結局、何も準備ができないまま、私は限界を迎え、
「まずは体を大事にしよう」と思い、退職という選択をしたのです。
退職までの経緯についてもお伝えしています。こちら
退職前にやるべきだったと後悔した5つのこと

1. スキルの棚卸しをしておけばよかった
当時の私は、「教員しかやってこなかった自分に、社会で通用するスキルなんてない」と思い込んでいました。
転職サイトで見かける「Excelスキル」「営業経験」「事務処理能力」などの言葉に、完全に尻込みしていたんです。
でも今、オンライン秘書やインスタ運用代行の仕事を通して、「教員としてやってきたこと=スキル」だったと、今は実感しています。
たとえば…
- 児童・保護者対応 → 傾聴力・対応力・寄り添い力・サポート力
- 学年だよりや通信作成 → 情報をわかりやすく伝えるライティング力
- 学級経営 → スケジュール管理・人間関係の調整力・良さを引き出す力・課題を見つける力・全体を見る力
- 授業準備 → 課題解決力・プレゼン力・改善力
- 目的・目標設定、プロジェクト計画・遂行力…
当たり前にやっていた業務の中に、社会でも求められる力はたくさんあったのです。
もしあの頃、「自分が何をしてきたか」を仕事の言葉に言い換えて整理していたら、 もう少し自信をもって、新しい働き方に踏み出せていたと思います。
スキルがないのではなく、言語化していなかっただけ。
それに気づけただけでも、今の働き方に自信がもてるようになりました。
2. 理想の働き方を言語化しておけばよかった
辞める前の私は、「とにかくこの働き方は限界…」とばかり思っていました。
でも、いざ教員を辞めてみると、立ち止まってしまったんです。
「で、私はこれからどんなふうに働きたいんだっけ?」と。
理想の働き方を自分の中で整理していなかったことで、方向性が見えなくなってしまっていました。
今ならはっきり言えます。 私が望んでいたのは、
- 子どもたちの成長を見守れるような、家庭との両立ができる働き方
- 毎日決まった時間に拘束されすぎない、自分のペースで働ける仕事
- 感謝される実感を得られる、人と関われる仕事
この「働き方の軸」を明確に持っていれば、 求人の選び方や、情報収集の方向もブレなかったはずです。
退職から約5年。ずいぶん遠回りをしましたが、今の私は、在宅ワークでオンライン秘書やインスタ運用をしながら、 自分のペースで仕事ができる環境を少しずつ作れています。
あのとき、せめて「働き方の希望リスト」だけでも書いておけば、 ここまで迷わず進めたかもしれません。
理想の働き方を言語化することは、セカンドキャリアの地図を描くことに近い。
今は、そんなふうに感じています。
3. 教員以外の世界にふれておけばよかった
教員として長く働いてきた私は、「教育の世界」しか知りませんでした。
退職後、正直、教員以外の仕事といっても、事務職や福祉職しか想像がつかなかったんです。
でもある日、何気なく開いたSNSで「元教員がフリーランスとして在宅ワークしています」という投稿を見かけて、驚きました。
「こんな働き方、あるんだ…?」
オンライン秘書やSNS運用、ライティング、動画編集など、教員とは全く異なる世界。
だけど、言葉のやりとりや整理整頓、企画力など、教員時代の経験が活かせそうなものもたくさんあることに気づきました。
当時の私は、「私には関係ない世界」と思ってスルーしていたけれど、 辞めた今ならはっきり言えます。
もっと早く、教員以外の世界を知っておけばよかった。
登録だけでもクラウドソーシングサイトを見てみるとか、 SNSで元教員 フリーランスで検索してみるとか、 それだけでも、世界の広さに触れられたはずです。
選択肢を知ることは、行動の第一歩になります。
「知らないから不安」「知ったから動ける」
これらは、本当に大きな違いです。
4. お金の見通しを立てておけばよかった
正直、当時の私は「なんとかなるだろう」と思っていました。
でも実際に辞めてみて一番不安が大きかったのが、お金のことでした。
毎月の固定費、子どもの習い事、突然の出費…。
「あと何ヶ月で貯金が尽きるんだろう…」と電卓を叩く日々は、かなりのプレッシャーでした。
教員という安定収入の職を離れることが、どれだけ大きな変化なのか。
退職してから改めて実感したのです。
もしあのとき、
- 最低限必要な生活費のシミュレーション
- 在宅ワークで得られる収入の目安
- 毎月かかっている支出の整理
こういったお金の準備をしていたら、もっと気持ちに余裕をもてていたと思います。
実際、今の私は毎月の収入が変動する働き方をしていますが、 生活費の目安を知っていることで、「これだけあればOK」という安心材料がもてています。
セカンドキャリアを考えるときに、「やりがい」や「時間の自由」はもちろん大切です。
でも、それと同じぐらい「現実的な収入ラインを把握しておくこと」は、心の安定につながると実感しました。
5. 辞めたあとの自分を支える言葉をもっておけばよかった
退職後、しばらくしてから感じたのは「自分には何も残っていない」という、深い孤独感でした。
教員という肩書きがなくなった途端、「私は何者なんだろう」と思ってしまう瞬間が何度もありました。
過労で倒れたとはいえ、周りから見れば「新しい一歩」にも見える退職。
でも当時の私は、「逃げた」「負けた」と思われるんじゃないかと、自分自身を責める日々でした。
そんなとき、「これでいいんだよ」と思える考え方をもっておけば、もっと早く前を向けたと思っています。
実際、今振り返ると、教員としてやってきた17年間は決して無駄ではなかったし、 その経験が今の仕事に確実に活きています。
でも、退職直後はそのことに気づけず、ただ終わった人のような気持ちになったこともありました。
だからこそ、
- 辞めても、私は私
- これまで頑張ってきたことは、これからも活かせる
- 今の自分を否定しなくてもいい
- どう思いたいか?も自分で決める
そんな言葉を、自分の中に準備しておくこと。
それが、セカンドキャリアを進める上で、意外と大きな支えになると感じています。その心の準備は、目に見えないけれど、大事な下地になります。
準備ゼロでも、教員を辞めてセカンドキャリアを進められた理由

ここまで読んで、「やっぱり準備って大事なんだな…」と感じた方もいるかもしれません。
もちろん、準備ができるに越したことはありません。
でも、私は「何も準備できなかった」状態で退職しました。
それでも、今は在宅で働きながら、少しずつ新しい働き方を築けています。
どうしてそれが可能だったのか? ここでは、その理由を3つの視点でお伝えします。
1. 気づいたときに、小さな行動を始めたから
退職後すぐは何もできませんでした。
過労で倒れ、すぐに回復したわけではなく、治療に時間も労力も費やしました。 罪悪感もあって、余計に動けなかったというのもあります。
でもある日、「このままではいやだ!」と思い立ち、「自分は本当はどうしたいのか?」向き合うようになりました。
そして、
「また、誰かの役に立って、人に喜ばれる仕事をしたい」
「まだまだ諦めたくない!」
と自分の気持ちに素直になれた時、
つながりのあった方から「オンラインで私の裏方のサポートをしてみない?」と声をかけていただきました。
在宅ワークの経験も、オンラインで働くという経験もない私でしたが、「ぜひ!」と返事をし、お仕事をいただくことができました。
本当に0からのスタート。
初めはわからないことだらけで時間もかかりましたが、一歩を踏み出せたことが自信につながりました。
2. 教員の経験が意外な形で活きたから
最初は「教員しかやってこなかったから無理」と思っていたけれど、 実際に仕事をしてみると、意外なところで教員経験が活かせると気づきました。
たとえば…
- Canvaでの資料作成 → 授業用スライド作成経験が活きた
- クライアント対応 → 保護者対応や面談の丁寧さが評価された
- 作業の段取り・優先順位づけ → 学級経営や行事準備のスキルが活用できた
「仕事」として経験していないことでも、スキルとしてはしっかり積み重なっていたと気づきました。
3. 完璧じゃなくても、できることを続けたから
最初から「これが、私の才能!一番の強みだ!!」と思える仕事に出会えたわけではありません。
でも、できることを少しずつ積み重ねていく中で、「この働き方、心地いいかも」と思えるようになりました。
大切なのは、理想の働き方を一発で見つけることではなく、 「今の自分ができることをやってみる」こと。
その繰り返しが、少しずつ自分らしいセカンドキャリアにつながっていくと感じています。
同じように悩んでいるあなたへ伝えたいこと

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
「辞めたいけど、どうしたらいいか分からない」
「この働き方を、あと20年続けられる気がしない」
「でも、教員しかやってこなかった自分に、他の働き方なんてあるのかな…?」
そんなふうに思っているあなたへ、心から伝えたいことがあります。
私は準備ゼロで教員を辞めました。
辞めた直後は不安だらけで、「この選択でよかったのか?」と何度も自分を責めました。
でも、少しずつ、自分のペースで行動を始めてみたら、 「こんな働き方もあるんだ」「私でもできることがあるんだ」と思えるようになりました。
今は、在宅で働きながら、家族との時間も、自分の体も大切にできています。
だから、あなたがもし、今もやもやしているなら
それは、次のステージに進む準備が始まっている証拠かもしれません。
辞める・辞めないの決断を急がなくてもいい。
まずは、「自分はどうしたい?」をゆっくり見つめてみる。
この記事で紹介した後悔を、あなたが避けるヒントになったら嬉しいです。
そして、もしあなたが「何か一歩を踏み出してみたい」と思ったなら、 できることからで大丈夫。
- 今日のうちに「やってみたい働き方」を3つ、メモに書いてみる
- 気になる在宅ワークや仕事スタイルを、考えてみる
- 今の気持ちを、信頼できる人に話してみる
それが、未来のあなたを変えていく始まりの行動になります。
私もまだ、セカンドキャリアを築いている途中です!
悩んだり迷ったりしながら、少しずつ前に進んでいます。
あなたと一緒に頑張っていけたら嬉しいです✨